無理をしない.
特に自閉スペクトラム症(ASD)とともに生きる人々にとって、この課題は深刻です.
- 集中していて気がついたらバタンキュー・・・
- 疲れているけど後もう少しで終わる、もうちょっと頑張ろ
→この後疲弊して動けなくなる
自分も過去には上記のような出来事が多くありました.
そのため自分の深掘り大好きセンサーが発動するのです.
「どうしたら無理をしなくなるか?」
どうして無意識のうちに無理しちゃうの?
ASDの方々の多くは「過集中」という状態を持っています.
ここで「多く」と表現しているのは、必ずしもそれを持っているわけではないからです.
これはいわゆる「ゾーンに入りやすい、そして時間が長い」ということです.
それの影響で「無理しない」状態を無視して仕事をしてしまうのです.
当人は無意識のうちに疲れなんて忘れてしまっていて、目の前の仕事にのめり込むのです.
そしてバタンキュー、動けなくなってしまうのです.
深く集中していると「まだまだできる」としか感じません.
「無理している」と感じることは全くありません.
だからこそ、過集中に対して対策を立てる必要があるのです.
ゴールは「無理しない」ーどのようにたどり着くか?
それでは、どのようにして「無理をしない」ように調整していったかを解説していきます.
疲労度カウンターをつける
これは即効性があります.
簡単に説明すると
「10が最大の疲れで、どれくらい疲れている?」というのを
表す数字になります.
就労移行支援事業所の職員さんが自分のために、と
考えてくださいました.
0 元気100%!
5 まあまあ疲れた、まだまだ作業できる
7−8 丁度いいくらいの疲れ(寝て起きたら元気になる)
10 もう、無理…動けない…
就労移行支援事業所での日報にて
出勤直後・午前・午後の作業の後に記入しています.
記入欄はなく適当な余白に書いています.
デメリットは「あくまで自分視点である」事です.
主治医には
「完璧には把握できないから、参考までに留めておくように」そう言われました.
1日の終わりに、午前中・仕事終わりに
やってみてはいかがでしょうか.
あえて無理をする
こちらはリスクがありますが、
相応のリターンがあります.
一度全力で仕事をしてみて、
どこが限界なのかを知ることが目的です.
限界を超えたらどうなるかー
この体験も大事です.
疲れ切った時にどのような症状が出るのか
知る事ができるからです.
一度疲れ切る事が必要不可欠で
次の工程を経るための必要経費と考えれば安いものですが…
その恐怖を振り切れるかが挑む鍵になります.
「心地いい」を探す
限界を何度も知ることで、
あなたにとって「心地良い感じ」が把握できるようになってくると思います.
その状態に達することができるよう
調整していきましょう.
バランスが取れるようになってきたら
以前より楽になっている、と感じることが多くなってきます.
もし一瞬無理をしたとしても、
心地いい感じをしっかり把握できていれば、
それ以上頑張らない、という選択ができます.
そうなれば以前よりも疲れにくくなっている事と思います.
体力をつける
こちらは地道にコツコツと積み上げていく必要があります.
運動をしよう、というものです.
ウォーキング・ランニング・筋力トレーニングなど
様々なスポーツを通して楽しみつつ
「無理しない」を身につける事が可能です.
しかし最初だけ、
過集中という「〇〇ハイ」になってしまうかもしれません.
ランナーズハイ、といったものです.
例えば、
自分はコロナ禍以前の夏、
市民プールに行って約1時間ほど泳いでいました.
そこまでの交通手段は自転車.
嫌でも体力がつきます.
ウォーキングに慣れてきたら縄跳びをするのもいいでしょう.
以前していた時は、ただ前跳びを5分ほどしてかなり疲れました.
好きなスポーツを見つけてやってみましょう.
勿論、寝る事は怠らずに. 睡眠をしっかり取りましょう.
コツコツ、ぼちぼち、やっていく。
「無理しない」を身につけるためには地道な積み重ねをする事です.
明日からいきなり
「無理しない」身体と考えを手に入れる事は
どうやってもできないのです.
今回挙げた例のほかにも
「こんな事で疲れが減りました」という経験があれば
是非コメント欄にお願いします.
「コツコツ、ぼちぼち」1日を積み上げていく事で
少しずつ自分を変えていきましょう.
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